NCEC wilwood ブレーキキット
↑ wilwood ブレーキキット ( 中古を入手してリビルトしました )
アメリカの wilwood 製キャリパー を使ったブレーキキット。
高剛性の鍛造キャリパーです。( wilwood 品番 : 120-6806 )
2ピースのスリット入りローターと、ステンメッシュブレーキホースもキットに含まれていました。
wilwood 製キャリパーは日本ではライトウェイト車用と思われがちのようですが、実際は SUV やトラック用など豊富にあります。
本場アメリカでは NASCAR や INDYCAR 、オフロードやドラッグレースでも使われてます。
wilwood の NC ロードスター用だと RX-8 のローター径 304mm と組み合わせて使用するキットをよく見かけますよね。
ですが、私が入手したのは専用の 310mm 径の 2ピースローター。
ノーマル 290mm から 20mm のサイズアップです。
おそらく 16インチホイールで使用可能な最大サイズのローター仕様かと。
ちなみにこのブレーキキットは FD3S 流用品 よりも随分前に入手していた物になります。
中古で入手した際、かなり経年劣化があったのでリビルトに時間をかけました。
超軽量 & 取付剛性の高さ、そして ホイールも 7.5J +50 がスペーサー無しで使えるため、元々こちらが本命です。
ワイトレ & スペーサー不要は前輪にとってマジ重要ですからね。
ブレーキのためにスクラブ半径を増やしたくないので、このキットは本当に最高です。
各部詳細
↑ wilwood 製ブレーキキャリパー
キャリパーは2液のウレタン塗料で塗り直しました。
色は ビビットオレンジ。
下塗りにはアンダーシルバーを塗るよう説明が書かれてあったのでそれとクリアーも購入。
↑ イサム エアーウレタン塗料
正直なところ個人的にはあまり好みの感じには仕上がらなかった (T-T)
写真で見ると何故か明るく見えて確かにビビットと言えますが、肉眼で見ると暗くて地味な色合いです。
くすんだ茶色? 錆び色? のメタリックって感じ?。
もちろん渋いオレンジが好きな人にはお薦めかも (苦笑)
↑ キャリパーサポート (塗装済み)
おそらく材質的にはジュラルミン ( A2017 ? ) かな?
A2017 は削り出しキャリパーサポートではよく使われている素材だし、叩いた時の高い音色からも A2017 っぽい硬さがうかがえます。
( A2017 ジュラルミンの場合、一般的な鉄鋼材 SS400 と同等な強度があります )
おそらく販売元と思われるショップさんの HP にもジュラルミンだと書かれてあるのでまず間違い無いでしょう。
厚みもしっかり有り、形状的にも充分な剛性を発揮しますね。
そのままだと表面が腐食しやすいから艶消しブラックに塗りました。
↑ キャリパーピストンと新品シールキット
ダストブーツレスなタイプのピストンなので、その分、汚れなどがピストン外周に付着します。
清掃・研磨後に新品のシールキットを使って組み付けます。
このピストンはステンレス製なので錆びる事はなく、一般的な 鉄+メッキ の物と比べると劣化しにくく清掃も楽かと。
それとステンレスは熱伝導率が低く、ブレーキフルードに熱が伝わりにくいのでべーパーロック現象も起きにくいのが特長です。
参考までに書いておくと、ピストン径は約 35mm です。
FD3S 用キャリパー ( 16インチ用 ) のピストン径は約 36mm ですが、実際にパッドを押す部分の径は 32mm 程度しかありません。
これは FD3S 用がダストブーツ付きのためです。
この wilwood のピストンはダストブーツレスですから、35mm 径そのままでパッドを押します。
通常、パッドを押す面積が大きいほど安定して押す事が可能ですし制動トルクも上がりますからね。
このキャリパーは非常に小型ですが、見た目に反してなかなか侮れないスペックを持っています。
なお、外観は同形状でピストン径だけ大きくなったキャリパーもいくつか存在します。
それらはピストン径が約 41.1mm ( 品番:120-6811 ) や、44.5mm ( 品番:120-6816 ) になるので、かなり強化になりますね。
また、同じキャリパーサポートが使える 6ピストン ( 品番:120-13434等 ) を使えば更にパワーアップ。
このようにステップアップ可能な点も wilwood の魅力のひとつでしょう。
あとは 「 サーモロックピストン 」 なんてオプション品のピストンもあるんですよね。
このピストンと交換すると、熱伝導率を更に下げる事が可能になるのでお財布に余裕のある時にでも是非入れてみたいです。
↑ ステンメッシュブレーキホース
付属のホースはかなり劣化していたので新品にしました。
市販品を組み合わせてキット付属の物とほぼ同じ形状に。
ホース金具は元の鉄製からステンレス製にしたので若干グレードアップかな。
フレアナット部分の固定プレートだけ元のホースから外して再利用します。
↑ ローター研磨しました
ローターは、ブレーキ本舗さん で研磨してもらいました。
上の写真はブレーキ本舗さんから帰ってきた箱を開梱したところ。
素早く丁寧な対応でとても助かりました。
ベルハウジングはキャリパーサポートと同様に艶消しブラックで塗装。
↑ パッドはエンドレス (ENDLESS) の RCP110MP を使用
エンドレス製 Super Street M-sports PLUS ( SSM PLUS ) です。
エンドレスは海外製キャリパー用パッドも扱っているので助かります。
初期制動よりもコントロール性重視のパッドです。
重量の比較
↑ wilwood ブレーキキット
wilwood のキットはホースとローターとキャリパーの全部品の合計で 7.294Kg でした。
↑ 純正ローターとキャリパー、ホースなど一式
純正一式は 11.609Kg なので、wilwood に交換で片側 4.315Kg 軽量化!
左右合計では 8.630Kg も軽量化!
その他のパーツ
↑ GMB製の品番 GH31880 ( 純正 NE51-33-04X の互換品 )
ついでにハブベアリングも交換しました。
↑ ハブベアリングはスライディングハンマーで取り外し
↑ バックプレート
バックプレートも経年劣化していたので交換しました。
↑ 大径化に伴い、バックプレートの干渉しそうな部分をカット
完成
↑ 取付完了
ローターは、特に方向指定が無いようでしたので正回転方向で組み込みました。
逆回転方向で組んだほうが制動力が上がりますが、私はパッド摩耗を抑えたかったので正回転方向を選びました。
↑ ステンメッシュホースの取り回しはこんな感じ
↑ RX-8 純正 16インチホイールが履けます
ワイトレもスペーサーも不要で、RX-8 純正 16インチホイールがそのまま入ります。
ブレーキペダルを踏んでみると、若干ストロークが増えましたね。
これは片持ち 1ピストンの純正キャリパーから対向 4ピストンになったため。
押し出すピストンが増えた分、ブレーキフルードを多く送り込む必要があるからですね。
パッドにシムを入れたせいか、踏み込み初期はマイルドでジワーっと効く感じ。
もっとも入れたパッド ( エンドレス SSM PLUS ) は初期制動力よりもコントロール性能に特化させてるからね。
まず最初に踏み込む量で段々と効きが強まり、そこから踏み込む力によってグイグイと効いてくる。
力を入れたり抜いたりした時の反応も抜群。
踏力に応じたコントロール性能がとても良いです。
コースでタイムを出すような走りでは、こういったコントロール性能が重要なんですよね。
もちろん普段の街乗りでも使いやすさは言うまでないところ。
さらに特筆すべきは、やっぱり軽量だと言うこと。
片側 4.3Kg、両方で 8.6Kg も軽くなったおかげで、フロントサスの追従性がアップしてます。
路面の段差やギャップ等を超えた際の反動が抑えられ、乗り心地が若干良くなったかと。
ブレーキ鳴きも全く無くて扱いやすく、とても良い感じのブレーキになりました。